2016年1月22日 北の国から-2002遺言- [著] 倉本聰

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ひとが「遺言」を書くのはどんなきっかけが多いんだろう。
自分の死後のことに想いを巡らすというのは、きっと気持ちの良いものではない筈だ。

ある年代以上の日本人なら多くのひとが慣れ親しんだ「北の国から」。
田中邦衛演じる五郎おじさんについて今さら説明も不要だろう。

シリーズ最終作となった本作で、年老いた五郎さんは人の勧めで「遺言」を書く練習を重ねる。何度も「遺言」を書き直していくのだが、娘の態度が最近悪いと書く内容が変わったり、息子との関係が少し変わると「遺言」も書き直しとなる。

五郎さんは人の勧めで何となく書き始めたが、だんだん「遺言」を書くのが楽しくなってくる。
自分の生きてきた来し方行く末に想いを馳せ、家族を始め愛してきた人たちに感謝し、彼らの行く末を案じる日々。

おりしも極寒の北海道・富良野の大地で、五郎さんは炭焼きをし、羊の面倒を見ながら大地に身を委ねるように暮らしている。
余計な小細工抜きで、生きる上で“本当に大切な何か”を生き物が呼吸するような感覚で自然と追い求めている。

雪の大地の五郎さんの石の家。寒々とした空、でも爽快な冬の晴れ渡る空の下、五郎さんは今日も「大切な何か」に想いを馳せる。

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