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時代を超えて残る 東三河に見るレトロ看板

時代を超えて残る 東三河に見るレトロ看板

まだ行った事はないけど、ずっと気になっているお店ってありますか?…そういわれてみると、頭に浮かぶお店って意外といくつかあったりしますよね。

気になるお店って、看板が印象的だったりしませんか?

看板は、どんなお店なのか、何を扱っているのか、そもそもなんていう店名なのか、など、そのお店のなんらかの情報を与えてくれます。そのお店の第一印象にも大きく影響する、重要なツールとも言えます。

今回は、ほかではなかなか見ることがない唯一無二の看板を2つご紹介。

かわいくて、親しみやすく、どこか懐かしさを感じる、そんな看板です。

変わりゆく豊橋駅前の、“変わらない”を守り続けるパン屋さん

Point

☆昭和から喫茶スペースがあるパン屋さん
まず取材させていただいたのは、豊橋駅前の市電通りにお店を構える「ボン・千賀」さん。「ボン」の丸が印象的で赤い字の、かわいい字体です。
お店前の看板、自動ドアのガラス、そして建物自体にも大きな看板があり、豊橋市民にとってはなじみのある看板なのではないでしょうか?
ボン・千賀はカステラなどのお菓子やパンを扱うお店で、店内には喫茶スペースがあります。「表からの店内を見たことがあっても、奥に喫茶スペースがあることを知らない方もいらっしゃいます。」たしかに奥の喫茶スペースは、店内に足を踏み入れないとなかなか気づくことはできません。

☆看板は昭和40年代から変わっていません
大正元年、菓子問屋からはじまり、戦後まもなくパン屋の営業もはじめました。のちに、「ボン・千賀」という名前が、先代の社長により考えられたらしいとのこと。趣ある看板も、原型は変らず今も使われ続けられているので、もう50年以上ということですね。

☆豊橋の外からもファンを集める
ボン・千賀は、看板だけでなく、店内もその当時を多く残しています。大きな柄の壁紙や、オレンジや黄色の照明、丸と正方形が規則的に敷き詰められた床。昭和レトロなこの雰囲気は、他ではなかなかお目にかかることができません。
その雰囲気に惹かれ、多くの方がボン・千賀にご来店されます。ボン・千賀自ら宣伝をしているわけではなく、実際にお店を訪れた方がインスタグラムで投稿。店内だけでなく、パンの包装のデザインのレトロさにも人気があります。パンの種類でそれぞれ、デザインや色合いが違っていてコンプリートしたくなってしまうかわいさです!
それらの投稿が広がり、若い女性を中心に、名古屋や遠くは東京大阪からも新幹線を利用し、ボン・千賀に来店。つまり、東三河以外の方が豊橋に訪れるきっかけを作っているパン屋さんなんですね。

全国に多くのファンを持つボン・千賀は、「今のお店をこのまま維持していきたい」とのこと。
ボン・千賀は、豊橋の街に当たり前にある景色。これからも、変わり行く豊橋駅前の景色にあり続けるでしょう!

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所在地

ボン・千賀 豊橋市駅前大通1-28

昭和ムーディーな場所を、“変えない”で居続ける喫茶店

Point

☆「これって”び”ですか?”じ”ですか?」
二つ目に伺ったのか、豊橋市湊町にある喫茶店「café びーどろ」さん。
ひとつ中に入った場所にある、地元の方の憩いの喫茶店です。オーナーの山口さんが営業し始めて今年で40年になります。
びーどろの看板は、ブラウンの文字でまるくてやわらかい印象のデザインです。他ではお目にかかることのできないフォント。
扉を開けてすぐ足元にも、同じデザインのマットが敷いてあります。
「びーどろ」の看板は、特に「び」の文字が独特で、地元の中学生に「これって”び”ですか?”じ”ですか?」と聞かれることもあったとか。


☆びーどろの魅力
オススメは「ロイヤルミルクティー」と「コーヒーゼリー」。特にコーヒーゼリーは、常に置いてあるメニューではないので、出会えたらぜひ注文をしてみてください。
そして、山口さんはとても気さくで楽しい!びーどろにはカウンターもあるので、おいしいコーヒーや紅茶を楽しみながら、山口さんと話は弾んでしまうかもしれません。

☆「看板は、前のオーナーからそのまま引き継いだので詳しくはわからないんです。」
びーどろの由来は、そのまま「ビードロ」にあるそう。ビードロとは、ポルトガル語でガラスの意味。カウンターの奥やレジの下には、所狭しとガラス製の食器やガラス細工などが並んでいます。

唯一無二のデザインのこの看板ですが、そのルーツを山口さんは知りません。
それは、びーどろを営業し始めたのは山口さんではないから!
もともとびーどろは、山口さんの前に女性のオーナーさんがいました。その方がびーどろを手放す際山口さんが譲り受け営業しているため、看板がどのように作られたのか、詳細を知らないのです。

驚きなのが、前オーナーからの引き継ぎで、お店をお休みにしたのは、なんと1日だけ!お店の看板に加え、内装やメニューの内容もそのまま営業を開始しました。「以前から通っていた人はびっくりしていました。気づいたら店主が変わっていたので(笑)」そんな歴史があるなんて、想像もつきませんでした。

☆受け継いだまま、これからも
床を張り替えたこと、今では使われなくなった公衆電話を撤去したこと、この2つ以外ほとんど内装を変えずに営業しています
ひとつひとつ照明の形がひとつずつ違ったりするなか、ソファの青色が統一されたがオシャレな店内。壁やお手洗いのドアなど、当時の流行りが残った内装になっています。
山口さんは、今のびーどろをこのまま守っていきたい。
「外の看板は、トラックにぶつけられたこともありましたが、そのたびに直して使っています」

当時のままを残す喫茶店が、豊橋にあり続けてほしいと思います。また、優しい山口さんとのおしゃべりを求めて、びーどろに通うお客さんは絶えないでしょう!

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所在地

café びーどろ 豊橋市湊町146

レトロ看板はこれからもあり続ける

Point

今回の取材を通して感じたのは、「人の温かさ」。
ボン・千賀さんもびーどろさんも、取材にとても温かく対応してくださいました。看板の親しみやすさ以上に、お店の方は丁寧にお話していただきました。
めまぐるしく動く時代、無人化が進む一方、今回の取材のなかで社会は完全に無人化するわけでないことを確信しました。東三河にこの2つの昭和のかわいい看板が残っている理由は、その当時の看板や建物を大切に守ってきただけではなく、人と人のつながりや温かさを守り続けてくれたからこそ現在もあるのだと感じました。

看板のルーツを知ると、お店の歴史やそこで働くひとのことも見えてきたりして面白い!東三河には、ほかにもたくさんの魅力的な看板のお店がたくさんあります!気になってたお店や看板の素敵なお店に、思い切って入店してみると新たな発見があるかもしれません。行ったことあるお店だったとしても違って見えますよね。
入ったことないお店でも、一度ちょっと寄ってみたくなりませんか?


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