地元の非日常

どうまいじゃん!東三河の地元パン

みなさんの地元のお気に入りのパン屋さんって思い浮かびますか?

「ここのパン屋のこのパンが好き!」とお店のファンの方もいるのではないでしょうか。就職や進学などで地元から離れてると「そういえば、近所のパン屋さんにはアレないよね」って気付くことありませんか?中には「全国区だと思っていたら、超ローカルだった!!」なんてこともしばしば。

もしかしたら、みなさんが何気なく食べているパンも東三河にしかないパンかも・・・!そんなちょっと気になる「地元パン」の世界、すこーしのぞいてみませんか?

◇◇「地元パン」ってどんなパン?◇◇

パン屋は個人で経営されていることが多いため、地元に根付いたこだわりや歴史が垣間見えることがあります。

たとえば、広島県・呉の名物として大人気の「メロンパン」の『メロンパン』。「メロンパン」はれっきとした店名なんです。この『メロンパン』を買いに県内外からたくさんの人が訪れ、早々に売り切れてしまう日も少なくありません。

戦前から続く呉名物の「メロンパン」はみなさんが思い浮かべるメロンパンとは一味ちがいます。見た目はラグビーボールのようで、手にとると、パンとは思えないほどのずっしりとした重みが特徴的です。その中身はカスタードクリームがたっぷりと詰まっています。

創業の昭和11年から変わらない、呉で親しまれてきた地元の味。こんな素敵な軌跡を歩んでいるパン屋さんが東三河にも必ずあるはず!そこで、東三河の「地元パン」を販売している3店舗にお話を伺ってみました。

目指すは「パンの横綱」!!
技術と探求を惜しまない『タケノコパン』

POINT

◇◇「幻のタケノコパン」をご存知でしょうか?◇◇
メディアでも多く取り上げられているので、食べたことがある!という方も多いはず。その人気は圧倒的で、スーパーの卸だけでも多いときで1日1000個も製造。さらに、その噂を聞きつけて『タケノコパン』を求めて県外から買いに来るお客さんもいるそう。

そんな人気のパンがなぜ幻だと囁かれているかというと、販売期間を限定しているからなんです!
『タケノコパン』の販売は10月から4月まで。それ以降はどうやってもこのパンに巡り会うことができないので、恋しさのあまりそう言われるようになったみたいです。
5月以降に販売できないのは、『タケノコパン』のベストが保てなくなるから。
このパンの特徴はコロネの中の「ホイップクリーム」。甘さ控えめでふわっと軽いホイップクリームは、他のパン屋さんから嫉妬されるほどの絶品!…ですが、夏場になるとどうしても溶けてしまうので、あたたかくなる前にいつも販売をストップしているんです。

◇◇日々進化していく、懐かしい味の『タケノコパン』◇◇
『タケノコパン』が製造されるようになって50年。販売当初は生クリームだったので年中販売していたそう。「時代とともに改良を重ねてここまできました。ここ2年で愛知県産の小麦粉に切り替えたりもしてるんですよ」穏やかにそう話す社長は、休日にもパンの配合を変えて作ってみるなど、現状に満足せず、試行錯誤を繰り返しているとのこと。
「自分自身の根本がおいしいパンを食べたいという気持ちなんです」だから技術と探求を惜しまない。満足すると停滞してしまう。
そのこだわりは原料にも向けられており、素材が活きるものを使おうと意識されているんだとか。
昔からのお得意様からも「ここのパンは雑味がしない」と言われるほど。
『タケノコパン』のほっこりする素朴な味は「初めて食べるのに懐かしい」。
県外の方が『タケノコパン』を初めて食べたときには「私は前の人生にここにいた」と懐かしい味のあまり、そう口にされたこともあったそう。

そんな地元問わず愛される「ヤマトパン」さんのトレードマークは桜と横綱。王様は一人だけど、横綱は東西にいるんだから大きい顔して、横綱みんなががんばればいいんだ!という思いが込められているんです。
「これからは子供の『居場所』としてのお店になりたい。駄菓子屋さんのように何気なく、気軽に子供たちに立ち寄ってもらえるようなパン屋さんでありたいです」
お客さんとパンへの愛にあふれる優しいパン屋さん。どんなに有名になっても、真摯に向き合うその思いはたくさんの人を幸せにしていくに違いありません。


SHOP INFORMATION

店名ヤマトパン
住所豊川市古宿町市道43


これからも地元とともに。
変わらない味を届け続ける『うずまきパン』

POINT

◇◇昭和23年に創業した老舗のパン屋「ミシマパン」さん◇◇
創業時は学校給食がメインで菓子パンが多かったそうですが、時代の変化によってその他のパンにも目を向けるように。喫茶店、モーニング文化の流行から食パンを製造するようになり、今ではスーパーや地元のガソリンスタンドにもパンを卸しているんだとか。

長年、地元とともに歩んできた「ミシマパン」さんの人気のパンは「うずまきパン」!蒲郡のソウルフードと口コミで話題になっているちょっと変わったパン。パンだけどお菓子のようなそのパンは素朴な味が売り。味はプレーン・抹茶・かぼちゃ・黒糖の4種類ありますが、やっぱりスタンダードなプレーンが一番人気のようです。
『うずまきパン』の正しい食べ方を聞いてみると、そのまま食べてしまうとバラバラにほどけてしまうので、やはりうずまきをほどきながら食べるのがいいみたいです。
あと少し驚きなのが、パンなのに冷やして食べてもおいしいんだとか!パンがカリッとかたくなって食べ応えが増すようです。

◇◇飽きがこない素朴な味は愛され続けて50年◇◇
『うずまきパン』が誕生したきっかけは、創業者さんが当時、卸先の喫茶店から「変わったパンはない?」との声を受けたことから。創業者さんの奥様がかなりのアイデアマンだったらしく、この『うずまきパン』を思いついたそう!
なんとこの50年間まったく同じ材料、レシピで手作りで作られているんです!お客様からも「懐かしい味がする」と好まれ、小さいころに食べていた子たちが大きくなって、またその子、その孫に・・・と世代を問わず愛されてきたのは、懐かしい味のまま、「ミシマパン」にあり続けているからでしょう。

「一つのものを長く売るのは難しいと思うんです。これからも地元ともに変わらない味を届け続けて、地元の人に愛されるようなお店でありたいです」と、変わらないことが「ミシマパン」の強みだとお話くださいました。
最後には「個人的な夢は、キッチンカーで焼きたてのパンを販売してみたいです。焼きたての『うずまきパン』ってすっごくおいしいんですよ!!」とも。

ひとつひとつ丁寧に。お客様を思いながら。
50年間まったく変わらない『うずまきパン』。これからも人々に寄り添いながら、優しく、懐かしい味を届けてくれるのではないでしょうか。


SHOP INFORMATION

店名ミシマパン
住所蒲郡市拾石町塩浜66


プロの料理人とパティシエが手がける『豊橋カレーパン』

POINT

◇◇パンの豊富さはどこにも負けない◇◇
店内に入ると、まず驚くのは販売しているパンの種類の豊富さ!!端から端まで、よりどりみどりのパンが並んでいるので目移りしちゃいます。
「ベルブレッド」さんでは、なんと80種類ものパンを製造しており、そのバリエーションは本当に幅広い!
家族連れの来店も多いため、お子さんが喜ぶキャラクターや動物の人気パンからあまりお目にかからない『鯖サンド』やコッペパンのサンドなど珍しいサンドウィッチも「ベルブレッド」ならでは。
そんな様々なパンをお客様にお届けする中でも、ダントツ人気なのは看板にもなっている『豊橋カレーパン』!

◇◇まさに看板パン!人気№1『豊橋カレーパン』◇◇
その魅力は唯一無二のカレーパンの中身!豊橋産のうずら、大葉とカレーの異色の組み合わせにハマったリピーターが続出しているんだとか。
「ベルブレッド」では『豊橋カレーパン』とスタンダードなカレーパンも販売されていますが、前者のほうがマイルドで甘い口当たりになっています。だから小さいお子さんでも食べやすいんです。
なんでスパイシーなカレーが甘くなるの?疑問に思った方も多いはず。その秘密をこっそりお尋ねすると、「りんごやはちみつをふんだんに使用して、フルーティーな味わいに仕上げているんですよ」とお話いただきました。

「豊橋の名産を使って、お店の看板商品をつくりたい」代表のこの一声から『豊橋カレーパン』は誕生しました。うずら卵は豊橋名物の豊橋カレーうどんからインスパイアを受けたそう。
ただ、カレーパンを作るにあたって大変なこともあるようで・・・。うずらが油で揚げている途中に割れることもあるので、割れないように一つ一つ穴を開けて揚げているんだとか!それだけの繊細な作業を経て、カレーパンは店頭へと並べられているんです。

◇◇「べルブレッド」の魅力は「形にこだわらないパン屋」であること◇◇
パン屋だからこういうパンをだすのではなく、お客さんに寄り添うような在り方でありたいと総料理長さんはお話くださいました。「結婚式場やレストランを経営しているプロの料理人やパティシエが製造に携わるという他のパン屋さんにできないような環境がここの強み。地域の皆さんに寄り添いながら、コロナ禍である現状でもお客様の需要にベルブレッドが合わせていきたい」

お客様を思う気持ちいっぱいにあふれる、ありふれたパン屋さんを目指さないパン屋さん。ぜひ焼きたてのあたたかいパンとあたたかみのあるスタッフさんに会いに行ってみてはいかがでしょう?


SHOP INFORMATION

店名ベルブレッド豊橋本店
住所豊橋市曙町南松原133-1

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