定期的に必要な交換部品とは
あなたのお気に入りのおクルマ、整備はしっかりされていますか?安全に大切に乗り続ける為には、定期的な点検に加え、必要に応じた消耗品などの部品は定期的に交換することをお勧めします。
部品交換は、当然お金が掛かります。時として、高額な点検修理代となる事もあり、「突然の出費は痛い!」という事態が起こらない様に、メンテナンスの内容を理解した上で、計画的な部品交換をお勧めします。
車の寿命は「メンテンス」や「使い方次第」で大きく変わります
車のメンテナンスといえば、一番重要なのは「車検」ではないでしょうか。その理由は、車検を受けないと、継続して車の使用が出来なくなってしまうからです。
車検以外のメンテナンスとして、新車購入の場合は初回車検までの間や、車検と車検の間に実施する、通称「半年点検(日産では安心6カ月点検)」、「法定12カ月点検」などが有ります。半年点検や法定12カ月点検、車検時は、オイル交換などの消耗品の交換項目が多く存在し、交換する範囲や頻度によって車の寿命は変わります。
車の寿命は走行距離や使用環境によっても変わってくるため、どのくらいの頻度で使用し、どんな利用の仕方をしているかも重要なポイントになります。なかには、1カ月に数回程度しか車を運転しない方もいらっしゃいます。あまりにも動かさないことも、車にとって良い状態とはいえません。車は、適切な頻度・距離で動かし、出来るかぎりのメンテナンスを行うことが、車の寿命を延ばすポイントだと思います。
交換頻度が高い主な部品
車の主な消耗部品で交換頻度が高い部品についてお話をします。点検や車検の際、スタッフから交換が必要な部品説明を受けた記憶ありませんか。交換時期に関しては、自動車メーカーや部品種類によって異なりますので、車に車載されている取扱説明書をご確認いただくか、お付き合いのある販売会社スタッフ(当社の場合はカーライフアドバイザー)にご相談ください。
①エンジンオイル
役割:エンジン内の金属同士の摩擦を軽減する潤滑作用が主な役割で、ピストンとシリンダー間の気密性、エンジンを冷却する重要な役割が有ります。
交換:5,000km、もしくは半年に1回
注意:エンジンオイルは、走行距離が多くなるほど汚れます。運転頻度が低く走行距離が少ない場合でも、オイルが酸化・劣化をしますので交換は必要です。
②オイルエレメント
役割:エンジンオイル中の異物を取り除くための部品です。エンジン内部で燃焼や摩擦が発生すると、エンジンオイルには金属粉やカーボンなどの微小な異物が混ざります。これらの異物がエンジン内に溜まらないように、オイルエレメントはエンジンオイルのろ過をしています。エレメントに異物がたまりろ過機能が低下すると、燃費が悪くなるのはもちろん、最悪の場合、エンジンが焼き付き、故障する可能性があります。エンジンの寿命が縮まるなどの不具合を防止するためにも、定期的な交換をお勧めします。
交換:エンジンオイル1万km、もしくはオイル交換2回ごとに1回
③バッテリー
役割:エンジン始動時、ヘッドライトやブレーキランプ等のランプ類、カーナビ、パワーウインドウ、ワイパー等、多くの電装品に電力を供給します。
交換:3年ごと(目安)
注意:車の使用状況(夜間使用が多い、走行距離が少ない、エアコン常時使用)によって、バッテリー交換時期は短くなることが有ります。
④クーラント(ラジエター液)
役割:エンジン内部から熱を奪ったクーラント液は、車前部に設置されたラジエターで冷やされ、再びエンジンに戻ってエンジンを冷却します。
交換:車検時
⑤エアクリーナー(エアエレメント)
役割:エンジンが吸い込む空気からゴミを取り除いて、エンジンが痛まないようにします。
交換:2~3万km
⑥タイヤ
役割:車体や乗員、荷物などの重さを支えます。走行中、路面の凸凹による衝撃を吸収して緩和します。また、エンジンやブレーキの力を路面に伝えて車を発進、減速させます。
交換:4~5年、もしくは溝の深さ1.6mm以下
注意:ひび割れや、タイヤの横面を縁石で傷つけた場合も交換が必要です
⑦ブレーキパッド
役割:タイヤに連動して回転するブレーキディスクを挟み込む、制動装置の部品です。 ブレーキパッドをブレーキディスクに押しつけることで摩擦力が発生し、自動車は減速・停止させます。
交換:3~4万km(距離や年数、乗り方で交換時期が異なります)
注意:ブレーキパッドの厚みは新品でおよそ10mm。 これが5mm以下で要注意、およそ2~3mm以下で交換時期の目安と言われています。整備士でないと厚みの確認は困難です。ドラム式ブレーキの車は交換時期が異なります。
⑧ブレーキフルード(オイル)
役割:ブレーキペダルを踏んだ力を他のブレーキ装置に均等に伝達します。
交換:車検毎
⑧エアコンフィルター
役割:エアコンフィルターには、エアコンの内部から温冷風を送り出すときに、ホコリやゴミなどの異物や、カビなどを取り除く役割があります。最近は、花粉除去機能があるフィルターもあります。
交換: 1年もしくは1万キロ
⑨ワイパーゴム
役割:フロントやリヤガラスの雨粒や汚れをしっかり拭き取り運転中の視界を確保します。
交換:1年毎
注意:ガラスに撥水加工をしてある場合は専用のゴムが必要です。
⑩ファンベルト
役割:エンジンの動力を、エアコンのコンプレッサーやダイナモ(発電機)に伝えます。
交換:4~5万キロ
注意:キュルキュル音が聞こえた場合も、交換時期です
⑪スパークプラグ
役割:ガソリンを含む混合気をエンジン内で着火させるライターの役目を担っているパーツで、点火プラグとも呼ばれます。
交換:一般的なスパークプラグの場合2~3万キロ
注意:スパークプラグの種類で交換時期は異なります。
⑫発煙等
役割:発煙筒は発火して光を発することで、障害物の存在を知らせるためのものです。 事故などで車が動かなくなった場合、車は道路上の大きな障害物となり非常に危険です。発煙筒によって、異常を知らせ二次事故を防止します。
交換:有効期間は4年間ですので、車検時に有効期間を確認して交換します。
※番外編として、補充が必要なケミカル用品です
⑬ウィンドウウォッシャー液
役割:車のフロントガラスやリヤガラスの汚れを落とすための液体です。
補充:こちらは、交換でなく補充になります
注意:水を補充する場合もありますが、撥水効果のある専用ウォッシャー液もあります。
10年/10万キロで交換する部品
①タイミングベルト
役割:エンジンの動力をクランクシャフトからカムシャフトに伝えています。
交換:10万kmもしくは10年
注意:自動車メーカー、エンジンの種類によって変わります。
②ブレーキホース
役割:ブレーキペダルを踏んで発生するブレーキオイルの油圧を、ブレーキに伝えます。
交換:10万km、もしくは10年
③ラジエターホース
役割:エンジンで熱せられたクーラント(冷却液)を、ラジエターに送り込む冷却水の通り道
10万km、もしくは10年
今回、一般的な交換を要する部品をご案内させていただきました。その内容は、ガソリンエンジンで動く車を想定しています。今後の普及が見込まれる電気自動車に関しましては、エンジンオイルやオイルエレメント以外の部品が対象になります。
車のメンテナンス費用をコントロールしましょう
ご注意いただきたいのは、部品の交換時期を車検時に纏めないでください。車検時に、必要な交換をすべてやってしまうと、車検のご請求金額が40万円・・・ってなる事もあります。車検代が40万かかるなら、頭金にして新車買えばよかったという後悔の声がないわけではありません。
高額な交換部品といえば、タイヤ、バッテリーが挙げられます。
その様な部品を車検時に一気に交換せず、車検6カ月前の半年点検で、タイヤやバッテリーを先行して予防交換するのもお勧めです。
タイヤは溝が少なくなると制動距離が伸びて安全に止まることが出来なくなります。溝が減っている状態では排水力が落ちるので、特に雨の日は滑りやすくなります。例えばブレーキを踏んだ時に、すぅーと滑る感覚があったり、停止するまでの制動距離が伸びたりしてくるときは、タイヤが路面を捉えるグリップ性能が落ちるのでスリップもしやすい状態になってしまいます。一般的にはタイヤは残り溝4.0mmから性能が大きく低下すると言われています。
バッテリーのお話をしましょう。従来のバッテリーは、エンジンのかかりが悪くなる、エンジンの回転によってヘッドライトの明るさが変わるといった症状から、バッテリーの寿命が近づいてきたことを察知することができましたが、最近の高性能バッテリーは、全く使えなくなる直前まで最善の仕事をしてくれるので、寿命期の症状が表れずに突然バッテリーあがりが発生するケースが珍しくありません。バッテリーも、予防策として早期交換がお勧めです。私どものサービス工場では、バッテリー診断機を保有しておりバッテリー劣化度をチェックしてからの交換になりますので、予防交換の一助になると思います。
車の使い方、例えば毎日乗る/乗らない、1カ月の走行距離、荷物を載せる、高速を頻繁に使う、山道を走るなどの使用状況で、部品の交換頻度は大きく変わります。お客様のお車の使用状況を教えていただければ、交換時期に関して整備士が適切なアドバイスをさせていただけます。
また、セットになったお買い得商品も季節ごとに設定しております。点検入庫時にご検討いただけますと幸いです。
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