食を作る、伝える、育む ~大切な身体を守るために
トントントントン、と刻む音が心地よい包丁の音。
昼まえで太陽の光がやわらかい、広めのキッチン。
そう、ここは廣西さんの料理教室現場。
―たくさんの調味料が並んでいますね!
この料理教室では、調味料にこだわっています。醤油ひとつとっても、種類も製法も違いが。
何よりその調味料を使って、料理を楽しんでくれたら!と思っています。
この日のメニュー
・野菜たっぷりサモサ風
・鯖缶と新たまねぎの炊き込みご飯
・春キャベツの蒸しサラダ
・ナスのネギダレソースかけ
・珈琲ムース
ドレッシング、マヨネーズもその場で手作り。
食している間、使った調味料の説明や選び方を伝え「日常」に取り込んでもらう。
和気あいあいと作って、食べて、話をして。
あっという間の楽しく美味しい時間。
料理教室が終わると、その足で畑のお手入れへ。
―畑をもっていらっしゃるのですか?
ここの他にも畑がありますよ。その土地に合う、馴染みのある野菜を植えて収穫します。
畑は、私の「実験の場」です。
こうしたらどうだろう?もっと良くなるかなって。
無農薬はもちろん、無化学肥料で育てることで植える作物同士が補い合う。同じ場所に同じ作物を植えると起こる、連作障害にならないように土づくり。なんてことをしています。土づくりは腸内の環境にも似ていて、生活とリンクするですよ。
子どもと来ることもあります。土いじりをしていると、なんだか気持ちが落ち着きますね。
口に入れるものだからこそ、こだわっていけたらと。
食べること以外にも、肌に触れるものもオーガニックを心がけています。
とても知識豊富な廣西さん。
話していると、なんでも答えてくれます。
そして明るくてヘルシー。
そもそも、食にこだわりをもったのはいつなのだろうか。
少し掘り下げて質問。
―食の仕事をしようとしたきっかけは?
料理は小さい頃から好き。
母が料理をする姿を見ているのが本当に好きで、いつか自分もそうなりたいと自然に思っていました。
仕事にあけくれた20代。体調を崩してしまい…気持ちも沈んでいたため、食から見直することに。腸内環境を整える大切さを知ってもらいたくて、伝えることを続けています。
子どもが生まれる前に幼児食の資格取得し、出産をきっかけに身体の変化もあり、更に豆腐や発酵、食物アレルギーなど気になったことは‘とことん’勉強して料理に活かします。
―そのノートはレシピのメモですか?
そうです!
なんでも書き込んで、あとからPCでお渡しする資料作成です。
レシピはイメージして絵に描いて、あとは作りながら決めていきます。
味はもちろん、見た目も素敵だと食べるときの楽しみもありますし。
――時間足りていますか?
時間は常にもったいない、と思って動いています。時間の使い方、作り方はすごく考えていて。もちろん、子どもと遊ぶ時間もしっかり取ります。いっしょに鉄棒したりしていますよ。
家族と過ごす時間が一番大切です!
知ることの大切さ。
それを伝える使命感。
毎日、自分の体調に合わせて食べること。
無理して食べなくても、たまにはお休みしたっていい。
食をより一層豊かに楽しく育むと、心も身体も健康になっていきます。
心と身体は繋がっていて、それは食べているものでできているのだから。
※2019年に撮影したものです。