今更聞けないクルマの話 「自動車保険の仕組みとは?」
聞くは一瞬の恥。聞かぬは一生の恥。
分かってはいるけども、大人になって、なんとなく聞きづらいままにしていることってありませんか。
今更聞けないクルマの話では、意外と知らないクルマの情報を基本の部分から解説します。
今回は「自動車保険」についてです。
クルマに乗るうえで切っても切れない関係なのが「自動車保険」。
でも、自分の加入している保険がどんな内容なのか、そもそもどんな仕組みなのかをちゃんと理解されている方って、案外少ないのかも。
知らないと、万が一の時に損する!?
そんな自動車保険を、紐解いていきましょう。
自動車保険の仕組みとは
まず、保険そのものの仕組みはご存知でしょうか。
保険は、加入者がお金を出し合って、事故や病気など保険適応の対象になった方が、その集まったお金を補償として受け取る仕組みです。
ここでは、払ったお金を集めていることだけ覚えておいてください。
次に自動車保険。
必ず加入しなければならない自賠責保険と、任意加入の任意保険に分かれます。
一般的に、CMなどでよく言われる自動車保険はこの任意保険を指します。
自賠責保険は、全員が加入しなければならない代わりに、事故相手のケガ、死亡に対する最低限の金額しか補償されていません。
つまり、自賠責保険で補えない部分を補うものが任意保険になるわけです。
保険の要“等級”
任意保険の特徴として等級があります。
等級とは、ノンフリート契約(個人で一般的に加入する保険)で用いられる、保険料を割引くための区分けのことです。
先述の通り、自動車保険は加入者が支払った金額から補償に充てられます。
事故をよく起こす人とそうでない人の金額が全く同じでは、不平等になってしまいますよね。
そこで、事故を起こさない人=事故リスクの低い人として、保険料を割引する仕組みが等級制度です。
等級は1~20の数字からなっており、はじめて保険を契約する場合には必ず6S等級からスタートします。
保険開始日(始期日)から1年間無事故であれば、等級が1上がります。
反対に保険を使っていればその分だけ等級が下がります。
相手にケガをさせてしまったり、物を壊してしまったり、自分のクルマを傷つけてしまった事故は3等級。
火災や盗難・飛び石などで車両保険だけ適用になった場合は1等級下がります。
更に、そのぶんだけ「事故有」という特殊区分になるため、その年数だけ保険料が割増に。
事故をしても全額を自腹で支払い、保険を使わなかった場合は、等級は下がりません。
保険を使用するかどうかは修理の段取りをとった後でも決められますので、
迷った場合はその事故にどれぐらいの費用が掛かるのかを確認してみましょう。
条件を決めて、納得感のある保険に
保険の内容は大きく分けて4つ。
①対人賠償保険
⇒相手側のケガ・死亡に対する補償
②対物賠償保険
⇒相手側のクルマに対する補償
③人身傷害保険
⇒こちら側の人に対する補償
④車両保険
⇒こちら側のクルマに対する補償
この4つの保証条件を設定することで、保険料が決定します。
保険が適用される範囲を狭めていけばいくほど、保険料は安くなっていきます。
ここでは、保険料の決定に大きく関わる④の車両保険についてご紹介。
安全装置などによる細かい割引を除けば、
1.車両金額
2.運転者条件
3.保険範囲
の3つを変更することで、保険料を調整できます。
1.
車両金額
そのクルマの「今の価値」がどれぐらいあるのかを設定しています。
高ければ高いほど、保険料が高くなります。
重要なのはあくまで「今の価値」であること。
クルマは、購入してから年数が経つごとに金額が下がっていきます。
保険はあくまで「補償」なので、年数が経って金額の下がったクルマが事故をして、そのまま新品を買えてしまうと、事故をした側が得をしてしまいます。
そのため、クルマの価値に合わせて、補償される金額も年々減っていくわけですね。
ちなみに、50万円の補償がされているクルマの修理費が100万円だった場合、
車両保険で補償される金額は50万円までです。
こういった、補償金額以上の修理費がかかる場合は「全損」という扱いを受け、多くの場合は修理せずに新しいクルマを探すことになります。
また、補償を受ける際、免責を定めることで、保険料を抑えることが出来ます。
40万円の修理で、車両保険の免責が5万円だとすれば、
40-5で35万円の補償を受けられるわけですね。
2.
運転者条件
運転者を限定したり、年齢条件を設定したりすると、保険料を抑えることが出来ます。
①運転者限定
補償を受けられる運転者を限定することで、保険料を抑えることが出来ます。
・本人限定
⇒本人以外が運転する場合は補償を受けられません
・本人・配偶者限定
⇒本人のほかにその配偶者が運転している場合も補償を受けられます
・家族限定
⇒本人のほかに配偶者と、一緒に住んでいる家族が運転している場合も補償を受けられます。
・限定無し
⇒誰が運転していても補償を受けられます。
通勤用のクルマであったり、お子さんが免許を持っていなかったりする場合、限定している方が保険料を抑えることが出来ます。
反対に、他の人のクルマを運転する場合は、運転者限定があるかどうかは事前にご確認くださいね。
②年齢条件
乗る方の年齢を限定することで、保険料を抑えることが出来ます。
年齢制限無制限、21歳以上、26歳以上、35歳以上の4段階です。
もちろんですが、年齢が上がるほど保険料を抑えられます。
3.
保険範囲
アクシデントの種類によって補償される範囲を限定することで、保険料を抑えることが出来ます。
ここでの補償は車両保険の範囲のため、相手への補償やこちらの人に対する補償は問題なく行われますのでご安心ください。
・一般条件
自動車同士の追突に加え、自損と呼ばれる単独での事故や、当て逃げ、火災、台風、いたずら書きなど、幅広いアクシデントに対応できる条件のことです。
・車対車+限定危険
大きな特徴は、自損での補償が出ないこと。ガードレールへの追突や、お店への追突などではクルマの修理は自費になります。
限定内容がどこまでの物かは、保険会社・加入年月によっても異なります。
困ったら、保険証券を確認してみてくださいね。
・車両保険なし
どんな条件であっても、車両に対して補償が出ません。
年式が古く、車両金額の低いクルマについては、車両保険を無くすことで月々の金額を抑えるケースがあります。
①、②、③のいずれも、保険料に大きな差が生まれるものであり、把握しないまま乗っていると補償を受けられないケースもあります。
今、自分がどんな補償内容なのか覚えていなければ、保険証を確認してみることをオススメします。
あると嬉しい! オススメ特約
ここからは、特約についてです。
1.
弁護士費用特約
一つ目は、弁護士特約です。
実は、相手側の過失が100%であるもらい事故に対して、保険会社は相手側に示談交渉をすることが出来ません。
しかしながら、相手側が保険に加入していなかったり、外国籍で足取りが分からなくなったりする場合、保険会社が手出しを出来ないと泣き寝入りになることも。
そうならないように、示談交渉を弁護士に依頼することが可能です。
この弁護士特約を使用するだけであれば先ほど説明した等級が下がることはありませんので、安心して使うことが出来ます。
本来は自動車でのトラブル解決の用途ですが、他人の飼い犬に嚙まれたり、物を壊されたりといった日常のトラブルでも弁護士費用を賄うことが出来るタイプもあります。
補償範囲を広げる分保険料は少し上がりますが、付帯しておくと安心ですね。
2.
事故リスク
2つめは他車運転特約。
読んで字のごとく、他人のクルマを運転した際の特約です。
通常、他人のクルマを運転して事故にあってしまった場合、そのクルマにつけられている保険から補償を受け取ります。
しかしながら、年齢、家族限定などで保険が受けられないケースも。
仮に万が一保険が降りたとしても、自分が起こした事故で他の人の保険料が上がるのは、今後の人間関係にも影響がでますよね。
そんな時、自分が加入している保険を使って補償を受けられるのが、この他車運転特約です。
もちろん、保険を使うので翌年以降の等級は下がりますし、仮に自分の車両金額が100万円、他人のクルマが50万円であれば、低い方の50万円が限度になります。
また、他人のクルマであっても常時借りて使用したり、無断で借りたクルマで事故にあったり、といった場合は補償を受けられません。
使いにくい部分こそありますが、最悪のケースを防ぐことが出来る特約になっていますので、大人数でドライブする際は事前に確認しておくといいですよ。
3.
新価特約
これまで何度か説明してきました、「車両金額を超える補償は受けられない」という前提をひっくり返してくれるのがこの特約。
新車を購入してから一定期間以内に、新車価格相当額の50%を超えるような大きな事故をした場合、その相当額を上限に、新車を買い直すことが可能です。
残価設定型クレジットローンのように、最終回にクルマを返す必要がある場合、大きな事故でクルマを返却出来ないと大きな金額が残ります。
残価設定型クレジットローンを使う場合は、新価特約を使って万が一の状態に備えておくと、安心してクルマを購入できると思います。
特約期間は、初度登録から5年間の場合が多いですが、保険会社によっても年数が異なります。
具体的な年数が気になる場合は、東愛知日産のスタッフにお尋ねくださいね。
まとめ
そんな形で、自動車保険の基本的なことをお話してきました。
今日解説したことの他にも、多くの便利な特約、保険料を抑える方法があります。
大切なのは、自分にとって何が大切なことなのかをしっかりと見極めることだと思います。
保険証券を確認して、必要な条件・特約を確認すれば、きっと保険料も納得のいくものになりますよ。
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