大事なのは向き合い方! 「整備屋さんに任せておけば大丈夫」に潜む罠

購入してから数年後に手放すまで、点検や修理・部品交換を一度も行わないクルマは存在しません。

エンジンオイルを交換しないとエンジンが焼き付き、消耗部品は距離や年数によって段々と劣化していきます。

特に日本では車検が義務付けられており、数年に1度は必ずクルマの状態の検査が入ります。

購入してからもずっと何かしらのメンテナンスが行われるクルマ。

となれば、信頼できる場所でお願いしたいところですよね。

今回は、その「頼りがい」についてのお話です。


町の整備工場

皆さんは、町の整備工場を利用したことはありますでしょうか。

ディーラーに属していない、「モータース」と呼ばれるような整備工場ですね。

自営業または少人数で経営しており、長年家族ぐるみの付き合いでお世話になっている方も多いかと思います。

ディーラーは敷居が高く、中々足を踏み入れづらいと考えている方でも安心して入れるようなお店です。

距離が近いぶん遠慮せずに話が出来て、困ったときは時間外でも動いてくれる。

そんな整備工場ですが、町の整備工場=「どんなことでも頼れる」とは限りません。

というのも、ここ数年、町の整備工場では出来ない事柄が増えてきました。


町の整備工場では難しい2つのコト

1.

電気自動車の点検・修理

これまでのガソリン車とは違い、電気自動車は走行用に大容量のバッテリーを内蔵しています。

このバッテリーはガソリン車に搭載されている12Vのバッテリーとは異なり、400V程度と高圧。取り扱いには十分な注意が必要です。

そのため、電気自動車の整備のためには「電気自動車等の整備業務に係る特別教育」という特別教育を受ける必要があり、さらに専用の設備も必要です。

毎日当たり前のように電気自動車を整備するディーラーとは違い、電気自動車に触れる機会が圧倒的に少ない町の整備工場。

こういった電気自動車の受け入れ体制を作ることが難しく、そもそも電気自動車の整備を行わない工場も少なくありません。

今後EVがより身近になっていくことを考えると、クルマの全てを町の整備工場に委ね続ける、というのは難しいでしょう。

2.

先進技術

今の新車には、間違えてコンビニなどに突っ込まないようにする踏み間違え防止装置、走行中に誤って追突することを抑制する衝突安全装置の2つの搭載が義務付けられています。

この2つはカメラやレーダー、ソナー(超音波)によって人や物を検知しており、なんらかのエラーが発生した場合はクルマのコンピュータ内にエラーの履歴が残ります。

こうしてエラーの履歴から症状を割り出していくのですが、問題はこの診断のために必要なコンピュータ。

各ディーラーは、それぞれのメーカー独自の診断機器が存在しており、幅広い用途で使用可能。

診断機器を用いることで警告灯の消去が出来るほか、プログラムの書き換えも出来ます。

一方でモータースは、自動車メーカーではなく日立などの電化製品メーカーから販売されている診断機器しか手に入りません。

汎用的なものになるため、どうしても自動車メーカー独自のものよりは専門性で劣り、その中でも良いものを選ぼうとすると15万円近くの高額なものになってしまいます。

こういった難しいケースでは、結局町の整備工場がディーラーにクルマを持ち込んで整備し、お渡しすることもしばしば。

親しみやすさが強みの町の整備工場ですが、技術力でいえば専門店であるディーラーに一歩譲ってしまっていることも事実。

そんな中、自分のクルマを誰に任せればいいのか。

ここからは、クルマの整備と「上手く向き合う」ための2つの考え方をご紹介します。


クルマの整備と上手く向き合うには

1.

リスクを分担しよう

そもそも町の整備工場を頼るメリットのひとつとして、時間外に対応してくれること、急なトラブルに対処してくれることが挙げられます。

クルマがパンクしたら、無料で駆けつけてくれたこともあるんじゃないでしょうか。

しかしながら、この対応の柔軟性も絶対ではありません。

万が一、クルマが故障した場所が関東への旅行中だったら?

バッテリー上がりで電話したけど、相手が冠婚葬祭で携帯の電源を切っていたら?

一家でコロナウイルスに罹患して臨時休業中だったら?

少し変わった話ですが、この世に絶対はありません。

そして、こういった変わった出来事は、決まって自分がアクシデントの時に起こります。

こうならないために、万が一のことは考えておきましょう。

一番簡単なものがJAFの会員になること。

もし上記のような、すぐに対応が出来ない状況になったとしても、レッカー搬送でクルマを運んでくれます。

JAFに入って無くても、保険のロードサービスを活用することでも可能です。 こういった、万が一の際に自力で対処できる方法は知っておきましょう。

2.

予防整備をしておこう

バッテリーが上がってしまった、劣化が原因でタイヤがパンクした。

こういった消耗部品によるクルマの不具合については、実際に起こる前に早めに交換することで回避することが出来ます。

このように、劣化した部品を早めに替えることでアクシデントを避ける整備方法を「予防整備」と言います。

ディーラーでは、点検に来店したお客様に対して予防整備を勧めることが多いです。

町の整備工場に比べて、一店舗当たりに対するお客様の数が圧倒的に多く、一人のお客様のトラブルのために多くの時間を割けない恐れがあるからです。

そのため、「不具合が起きたら対処する」という町の整備工場と比べ、ディーラーは高い・物を売りつけられるという意識を持たれがちです。

これは、「お金が掛からないこと=お客様が喜ぶ」という考えに基づいたものであり、実際にその瞬間の費用自体が安く済むことからお客様もそれに同意しがちです。

しかしながら、①で説明した通り、全ての状況が都合よく自宅付近で起きたり、トラブル発生時に対応出来たりするわけではありません。

更に、ロードサービスは一度呼ぶと2時間前後は待つことになり、トラブルの内容によってはエンジンの掛からない車内で心細く過ごす事になります。

もしそれが家族旅行の最終日だったら?

くたくたの状態で動くに動けず、子供が泣き出してしまい、旅行の思い出はトラブルに全て搔き消えてしまうでしょう。

もしそれがコンサートの前だったら?

ロードサービスにクルマを預け、電車で向かったとしてもコンサートには間に合いません。

チケット代を無に帰しながら来た道を真っ直ぐ帰ることになります。

こういった大切な日を台無しにしないために前もって対策しておくことが、予防整備の根幹にあたります。

もちろん、どれだけ対策してもやむを得ない理由でクルマが止まってしまうこともあります。

それでも、「やっておけばよかった」と後悔するのと「ここまでやったなら仕方ない」と思うのでは自分の納得が変わってきませんか。


まとめ

・町の整備工場は頼れる存在だが、すべてに対応できるわけではない

・技術力という面では、ディーラーに軍配があがることも

・万が一のために、自分のロードサービスは確認しておこう

・大切な日を台無しにしないために予防整備をしておこう

上記のように、町工場と整備についてお話してきました。

ディーラーの敷地はハードルが高く、何を売りつけられるのかと恐る恐る来店する方もいらっしゃいます。

しかしながら、この先の電気自動車・先進技術搭載車に乗るには、ディーラーの活用が必要になってきます。

自分のクルマの将来のメンテナンスのために、ディーラーに足を運んでみませんか。

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