今更聞けないクルマの話 「カーリースってどんな仕組み?」

聞くは一瞬の恥。聞かぬは一生の恥。

分かってはいるけども、大人になって、なんとなく聞きづらいままにしていることってありませんか。

今更聞けないクルマの話では、意外と知らないクルマの情報を基本の部分から解説します。

今回は「カーリース」の話。

「クルマは買うもので、個人でリースをするなんてよく分からない。」

「聞いたことはあるけど、実際どうなの?」

なんて思う方もいるかもしれません。

個人向けカーリースは、法人向けに比べ新しいサービスです。

2016年頃から徐々に認知度を上げ、利用者数も増え続けています。

クルマを「買う」以外の選択肢。

意外と、自分の知らないメリットが隠れているかも。

そんなカーリースの実体を、しっかりと解説していきます。


カーリースとは?

カーリースとは、選んだクルマを一定期間(契約期間)、月々定額で乗れる支払いプランです。カーリースの利用料金には、車両本体価格のほか、各種税金や自賠責保険料、手数料など、クルマの購入や維持に必要な費用のほとんどが含まれています。

それにより、初期費用0円で、毎年の自動車税や車検時の法定費用といったまとまった出費も心配せずに新車に乗ることができます。

原則として契約満了後の返却を前提としており、リース会社が所有者、クルマの使用者は契約者として登録されます。

カーリースはレンタカーとは異なります。レンタカーは数時間~1ヵ月間クルマをレンタルするサービスです。利用時間によって料金が異なり、維持費は不要です。所有者も契約者もレンタカー会社のままで、ナンバープレートが「わ」か「れ」と決められています。

お部屋の契約に例えると、カーリースが管理費込みの賃貸契約、レンタカーはレンタルスペースのようなもので、形態として大きく異なることがご理解いただけると思います。

カーリースは一般ナンバーが割り振られるので、見た目でカーリースだとわかる心配もありません。なお、希望ナンバー制を利用できるカーリースなら、好きな番号を選ぶことも可能です。

クルマを購入する場合は車両本体価格の全額を支払う必要がありますが、カーリースでは、契約期間を基に算出した契約満了時の残価(想定される市場価値)を車両本体価格から差し引くため、負担する車両本体価格は、残価を引いた残りの金額のみとなります。

「残価設定」といわれるこのしくみによって、支払う車両本体価格は契約年数に応じた分だけとなり、購入する場合よりも安くなります。

レンタカーなどの一時的に利用するサービスと違って、リース会社が取り扱っているクルマの中から好きな車種を選ぶことができるので、自分だけのマイカーのように乗れるのが特徴です。リース会社によっては、新車購入時のようにメーカーオプションやディーラーオプションを選ぶことができます。多くのカーリース会社が含んでいるオプションは、「カーナビ」「バックアイカメラ」「ETC」「アルミホイール」などです。返却時に原状復帰できるよう、付け外しが簡単なものがほとんどです。


カーリースのメリット

近年ユーザー数を伸ばしているカーリース。

法人向けから始まったサービスが今、個人向けサービスとしても注目を集めているのは何故なのでしょうか。

人気の理由を知るために、カーリースのメリットを見ていきましょう。

1.

頭金や初期費用が不要

カーリースでは基本的に頭金は不要です。自賠責保険、税金や登録費用などの諸費用を頭金として用意する必要はありません。プランによっては頭金を支払うことで月額を安くすることもできます。

2.

月々定額払いだから安心

カーリースは、残価を引いた車両本体価格、各種税金、自賠責保険、更にメンテナンスプランを付ければメンテナンスや車検代などを含めた合計金額を契約期間分で分割して支払います。そのため毎月定額の出費で済むため、家計の管理が楽なうえ、急な出費に心配する必要がありません。

3.

乗り替えやすい

カーリースでは契約期間が終了したらクルマを返却するだけで手続きが完了するので、手間もかかりません。定期的にクルマを乗り換えたい方や、ライフスタイルの変化に合わせてクルマを替えたい方にとっては、乗り替えの手軽さも魅力です。

4.

選べる車種が豊富

カーリースは、契約者が選んだ車種の新車をリース会社がディーラーから調達するため、いろいろな車種から自由にクルマを選べます。メーカーの縛りもなく、グレードやカラー、オプションも選択できます。


カーリースはデメリットだらけ?

インターネット上では「カーリースはデメリットだらけ」なんて言われていますが、実際どうなのでしょうか。実は、各ポイントを精査すると、人によっては全くデメリットにならない場合もあります。

デメリットだらけと言われる特徴を6つ挙げ、一つ一つ見ていきましょう。

1.

総支払い額が高くなることがある

カーリースの支払総額には、リース会社の利益が含まれるため、現金での購入よりも割高になることがあります。しかし、リース利用料金の中には自賠責保険、各種税金、メンテナンス代などが含まれています。車両本体価格のみの金額と比較して高くなるのは、当然のことなのです。

2.

残価精算のリスクがある

残価設定のある「クルマのサブスク」では、2種類の契約方式があります。

・オープンエンド

想定残価の開示があり、実際の査定額と想定残価の差額を請求される可能性があります。月額料金を安く抑えられる一方、契約満了時に急な出費をするかもしれません。尚、残価を払いきることでクルマを買い取ることもできます。

・クローズドエンド

想定残価の開示がなく、差額の請求の可能性がありません。月額料金は多少上がりますが、契約満了時に追加料金が発生しません。残価精算のリスクを下げるなら、こちらの契約方式がオススメです。ただし、一般的に契約満了時にクルマの買取りはできません。

3.

走行距離リスク

リース会社やプランによって異なりますが、契約満了時のクルマの価値を保持するために、月500~2,000kmの走行制限距離が設定されています。しかし、クルマユーザーの約6割弱が月間走行距離300km以内で生活しています。買い物や子どもの送迎など、ちょっとした用事以外ではほとんど利用しないライトユーザーは、ほぼ気にしなくて良いのと同然です。

(参考:乗用車市場動向調査2021年度)

なお、プランによって走行距離無制限で利用できるカーリースもあります。長距離運転をする機会の多い方やドライブが趣味の方、走行距離の想定が難しい方などは、走行距離の上限に着目してリース会社を選ぶのがおすすめです。

4.

改造やカスタマイズができない

一般的にカーリースでは、走行距離制限と同様、クルマの価値を保持するために改造やカスタマイズが禁止されています。そのため、原状回復できない改造やカスタマイズを行うことはできません。

しかし中には、原状回復費用の補償があるカーリースや、最後にクルマをもらえるカーリースもあります。クルマをもらえるカーリースであれば、カスタマイズを楽しんで自分だけの愛車にずっと乗り続けられます。ットローンにどんな特徴があるのかは、最初に把握しておきましょう。

5.

カーリースの契約には審査がある

カーリースは契約時に審査があり、カーリースを利用するには審査の通過が必須です。審査がある理由は、リース利用者が契約満了まで支払いを続けられるかを確かめるためとされています。明確な審査基準は公表されていませんが、年齢や年収などの要素が確認されます。

しかし、カーローンと比較した場合、カーリースのほうが審査のハードルが低い傾向がある、という特徴があります。その理由としては、カーリースは金銭の貸し付けではないことや、所有者がリース会社であることなどが考えられます。

6.

中途解約できない

カーリースの月額料金は総額を契約月数で分割して算出しているため、契約内容の変更は原則認められていません。そのため、利用者の都合や事故、盗難でやむをえず中途解約する場合に、違約金を支払う必要があります。

とはいえ、カーローンの場合もクルマが走行不能になったからといって残債が消えるわけではありません。現金一括の場合も、払った分が戻ってくるわけではありませんよね。つまりこれは、カーリースだけのリスクではないということです。

対策として、適切な契約年数を設定したり、任意保険に加入する際に違約金特約を付けたりするのがオススメです。


カーリースと上手く付き合うために

カーリースは、現金一括払いやローンと異なり、クルマを購入するわけではありません。そのため制限があったり、契約期間を考えたり、購入とは異なる点を考慮する必要があります。その分、向いている人と向いていない人とで分かれるのです。

では、デメリットも理解した上で、カーリースが向いている人はどのような人なのでしょうか。

1.

突発的な出費を抑えたい人

クルマを利用するには、購入費用やガソリン代に加えて、自動車税や車検費用といった費用が必要です。カーリースの月額には自動車税や車検費用の料金が含まれているため、突発的な出費を抑えることが可能です。プランによっては、消耗品交換や定期メンテナンスも含めることができます。そのぶん月額費用は高くなりますが、毎月一定の金額を支払うことで突発的な出費を抑えたい人にはオススメです。

2.

セカンドカーなどで長距離の運転をしない人

カーリースには、走行距離の制限があるケースが多いです。一般に、走行距離が短いプランの方が料金も安くなります。そのため、通勤などに利用せず週に数回だけクルマに乗るなど、長距離の運転をしない人にとっては、購入するよりカーリースのほうがお得になる可能性があります。

また、毎月定額の支払いで利用でき、納税の手間などもかからないため、複数台のクルマがあっても維持管理が苦にならないでしょう。

3.

最新の新車に安く乗りたい人

カーリースは契約期間が最短1ヵ月から、最新モデルの新車を月額料金で利用できます。予算的に購入が難しい新車に乗りたい人にとっては大きなメリットでしょう。

4.

改造などはせずそのままクルマに乗りたい人

改造ができないことはカーリースのデメリットでもありますが、そもそも改造するつもりはなく、そのままのクルマに乗りたい人はカーリースに向いています。

5.

短期間で乗り替えたい人

カーリースなら、「新車を契約し、満了日を迎えたら新しい新車をリースで契約する」という流れで、短い期間で新車に乗り続けることができます。

いろいろなクルマに乗ってみたい人や、「今はコンパクトカーで問題ないが、子どもが大きくなったらミニバンにしたい」というように、ライフスタイルに合わせて乗り替えたい人は、契約期間が短めのリースを利用するのがいいでしょう。

6.

面倒な手続きを軽減したい人

クルマに詳しくない人にとっては、税金の支払いやメンテナンス、下取りや売却といった、クルマに関する手続きを億劫に感じる人もいるでしょう。カーリースでは、こういった手間のかかる手続きをリース会社に依頼できます。


まとめ

いかかでしたでしょうか。

カーリースは、契約期間を設定したり、月額を抑えたりできるなど、ネット上で言われるほどデメリットだらけというわけではありません。

カーリースは難しい、現金一括払い以外はよく分からない。

そんな風に、はじめから選択肢から外してしまうのではなく、ぜひこの記事を参考にカーリースに興味を持って頂けたら嬉しいです。

ポイントを抑えて考えていけば、もっとおトクなカーライフを送れるかもしれませんよ。

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